違和感
東銀座の駅のホームドアが、工事なのか故障なのか、すべて開いたままになっていたのに出くわしたことがありました。何だかおかしい、開いているところへ吸い込まれそうで、少しこわくてホームの真ん中を歩いている自分がいました。 よく考えるとこれってどうなの?少し前まで駅のホームドアがないところが多かったはずです。今でもないところは少なくないし、例えばジュイエ最寄りの高円寺駅もホームドアがありません。そういう駅のホームに行っても、別にこわさは感じません。あるべきものがないと不安に感じたり違和感をおぼえたりするのは、人の心理なのでしょうか?
今回の展示で、搬入日に六、七割終わったものの、2面の壁が何もないまま。残りは明日ということになりました。
何も飾っていないギャラリーなら何も思わないのに、2面の壁がきれいに空いていることで、どこか不自然な気がしました。このときに思い出したのが東銀座の開いたままになっていたホームドアの時に感じたこと。あぁそうか、おさまるところにきちんとおさまっていないとこんな違和感を感じるのだなぁと思いました。
もちろん、展示が始まるまでには、空いていた2面の壁も綺麗に展示物がおさめられ、いい感じの仕上がりになり、前の日の違和感はどこかに消し飛んでしまいました。
この違和感って意外に大切なものかもしれません。違和感を感じたらそのままにせずに、すっきりするまで考えてみるのが、生きる上で必要、っていうのは大げさかもしれないけれど、ちょっと考えさせられる出来事ではありました。
今週の展示は「Finally展」、ロックアイドルグループFinallyを題材にした写真&絵画展です。同じ題材を写真と絵で構成した、ありそうであまりない展示です。写真と絵のマッチングが素晴らしく、ロックの音が聞こえてきそう、そんな感じです。3日間だけの展示、是非お越しください。27日まで。